今まで、何千回、何万回も見てきたそのヨレヨレの写真のうちの一枚を私は見つめた。
写真に映る女性は、立川早苗、当時、十九歳。
茶髪のショートカットがよく似合う、可愛らしい女の子。
彼女は、果物ナイフで背中を刺された後、原型を留めないほどに、顔を切り刻まれて殺された。
私は、二枚目の写真を手にすると、じっと見つめた。
写真に映る女性は、野沢恵子、当時、二十一歳。
スタイルのいい、ミニスカートがよく似合う美しい女性。
彼女は背中を刺された後、体をバラバラに切断されて殺された。
私は、三枚目の写真に目をやった。
写真に映る女性は、田所光江、当時、二十三歳。
優しい微笑みが魅力的な、長い黒髪の女性。
彼女は、背中を刺された後、公園の池で溺死させられた。
私は三枚の写真を見つめながら、彼女達が苦しみながら死んでいった様を容易に思い浮かべることができた。
彼女達は、何の罪もなく殺されてしまった哀れな三人だった。
彼女が殺されなくてはならなかった理由は、私しか知らない。
そして私は、その理由を誰にも話したことはなかった。