私の腕に抱かれていた過去の自分が、泣きはらした赤い目を私に向けて、私にこう言った。


「お姉さん、願いって、本当に叶うのかしら?

心から強く願えば、その願いはきっと叶うのかしら?」


私は、過去の自分からの問いかけに、今の自分の素直な気持ちをそのまま伝えようと思った。


もしかしたら、私が口にするその答えは、間違ったものかもしれなかった。


でも私は、今さら自分の考えを変える気にはならなかった。


「心から強く願えば、きっと願いは叶うわ」


私がそう言うと、泣きはらしていた女の子の目が、希望に満ちて輝いた。


「お姉さん、私は信じるわ。

願いはきっと叶うって。

私はいつの日か、自分の未来を変えてみせるの。

私はきっと、幸せになるの」


過去の自分はそう言って、初めて私に笑顔を見せた。


「私は心から強く願うわ。

私は、泣いてばかりいる自分に魔法をかける」


そして過去の自分は、自分に言い聞かせるように、静かにそっとつぶやいた。


「私の願いは、きっと叶う」