私のとなりで、怯えながら震えているのは、中学生の頃の私だった。


過去の私は、自分がしでかしてしまったことの重大さに、どうしていいかわからず、震えていた。


私は間近で過去の自分を見つめ、あのときの自分の気持ちを思い返した。


世の中の不公平さに憤り、恵まれている人を激しく嫉妬し、自分の恵まれない境遇を嘆いていたあの頃。


自分と桜井由美を見比べて、自分がみじめな女の子だと、はっきりと自覚したあの頃。


もしも私が、あの頃に戻れるならば、私はもっと別な生き方をするのだろうか?


私は人を妬んだり、うらやんだりせずに生きるだろうか?


私は、自分の存在の小ささを認め、慎ましく、夢を見ないで生きるだろうか?


私がそんなことを考えていると、体を震わせ、怯えていた過去の自分が、両手で顔を覆い、その場にしゃがんで、泣き出した。


急に泣き出してしまった弱々しい過去の自分が哀れに思えて、私は胸が苦しかった。


私は、しゃがんでしまった過去の自分の肩を優しく抱き寄せ、話しかけた。