私が階段を上っていくと、私の目に屋上へと続く扉が見えた。


あの扉を開けたあと、私がすることは、もう決まっていた。


私にはもう、迷いがなかった。


だって私には、もう何も残されていないから……。


私は、私の人生の終着点へと続く扉へ、ゆっくりと近づいていった。


〈 百合子、たくさん怖い思いをさせてしまって、ゴメンなさい。

全部、私のせいなの……。

お母さんがいけなかったの……。

あなたが素敵な大人の女性になるところを、私は見たかった…… 〉


私は、屋上へと続く扉に手をかけ、静かにそのドアを開けた。