「百合子さんの内臓の損傷は、思った以上にひどく、全力は尽くしたのですが……」


私は、門倉医師の話を聞いているうちに、涙が止めどなく溢れてきて、止まらなかった。


どうして百合子までが、死ななくてはならないのか。


百合子は、明るくて、優しくて、とっても優秀な女の子だったのに……。


私は、目の前にいる門倉医師の存在も忘れ、声を上げて泣いた。


もう私の大切な人たちは、みんなこの世を去ってしまった。


結局私は、周りに不幸を撒き散らしただけで、何も手に入れることはできなかった。


私が思い描いた夢。


私が願い続けたあのみじめな女の子の幸せ。


それらは全部、幻のように私の前から姿を消した。


もう私には、何も残されてはいなかった。


これからの私に待ち構えているのは、残酷でみじめな未来だけだ。


私はこの病院で、自分が生きている最後の理由までも失った。