〈 何がおかしいの? 〉


私は、右手に持った果物ナイフを強く握りしめた。


〈 私が、苦しんでいるのがおかしいの? 〉


私の胸の中で、悪霊たちへの憎しみがどんどん膨らんでいくのを私は感じていた。


〈 私が不幸せだと、あなたたちはうれしいの? 〉


私は、ゆっくりと立ち上がり、立川早苗の悪霊をにらみつけた。


〈 今度こそは、殺してやる! 〉


私は心の中で、固くそう誓い、立川早苗の悪霊がいる玄関へと、ゆっくりと歩き出した。