私は、私の幸せを邪魔しようとする悪霊が憎かった。


こいつらさえいなくなれば、私は幸せになれるのに。


あの貧しくてみじめだった寺田小夜子は、山村武士という素敵な男性と幸せに暮らしていけるのに。


〈 消え去れ、悪霊! 〉


私は心に強く念じると、フラフラと立ち上がり、棚の上にあった果物ナイフを手に取った。


〈 もう一度、殺してやる! 〉


私は果物ナイフを強く握りしめ、その果物ナイフを振りかざすと、死んだはずの女たちへと突っ込んだ。