ああ、どうして私は、寺田小夜子に生まれたのだろう?


毎日がみじめで、つらくて、貧しくて……。


ぜいたくしている子供だっているじゃない?


私だって、外で食事をしてみたかった。


私だって、きれいな服を着たかった。


私だって、ちゃんと学校に通いたかった。


でも、できなかったの!


寺田小夜子という女の子には、手が届かないことばかりがあって、人をうらやんで過ごすしかなかったの!


あなたたちにはわからないでしょ。


もう一度、家族を取り戻せないならば、私は死んでもかまわない。


だから、もう消えなさい!


いなくなれ、悪霊たち!