シンデレラにかかった魔法が、夜中の十二時で解けてしまったように、私は幸せの絶頂から元のみじめな寺田小夜子に戻ってしまった。


魔法がかかっていた夢の時間があまりにも幸せだったから、私はかつての自分に戻ってしまうことに耐えられなかった。


手にしていたビールが空になって、もう一本ビールを飲もうと冷蔵庫に向かったとき、私は足元がフラついて背中からテーブルの方へ倒れ込んだ。