「小夜子……、そうと決まったわけじゃない。

百合子の壊れてしまった心が治って、また百合子が元のような子に戻れば……」

「武士さん、それまでには、いったいどれくらいの時間がかかるの?

1ヶ月?
3ヶ月?
それとも半年?

時間は止まってはくれないの。

百合子は当然のように、優等生ではいられなくなるわ」


私は、感情が高ぶって、思わず声を荒げた。


「輝く宝石のようだった百合子が……、輝きのないただの石ころに変わってしまう……」