夫の武士は、今、会社で働いているはずだった。


そんな武士のことを思うと、私は明るいうちからお酒なんて飲んでいる場合ではなかった。


武士が毎日、働いていてくれるから、今の私たちの生活がある。


だから私は、武士に感謝し、武士のために自分ができることをしなくてはならない。


ずっとそう思って、私は武士との夫婦生活を続けてきた。


でも今の私は、心が悲鳴を上げて、助けて欲しいと叫んでいる。


私は再び缶ビールを手に取って、ビールを口にした。


冷たいビールが体の中を通っていくのを感じると、私はホッとして、少しだけ幸せな気持ちになれた。


私はもう一度、缶ビールを口にした。