私は、たまらなくお酒が飲みたい気持ちになって、さっきスーパーから買ってきたビールを冷蔵庫から取り出し、テーブルの上に置いた。


私が明るいうちからお酒を飲むなんて、今まで生きてきた中で、一度もなかった。


むしろ私は、やることもなく、昼間から酒に酔っている人を軽蔑してさえいた。


私は、昼間から酒に酔っている人を見ると、決まってあの憎い父を思い出した。


〈 私の父、寺田幸治は明るいうちから、酒に酔って、母を怒鳴り散らしていた…… 〉