実際に私は、心から強く願っていた。
毎日毎日、来る日も来る日も……。
そして、私が少しずつ大きくなって、やっとわかり始めた本当のこと。
心から強く願っても、願いは叶わない。
今から母の体が、人一倍、丈夫になるわけでもなく、父が家に帰って来て、働き始めるでもない。
ましてや、私をお城の舞踏会に連れて行ってくれる魔法使いのお婆さんが、私の目の前に現れるはずはない。
私も、夢の中の世界に行けるのならば、きれいなドレスを身にまとい、かぼちゃの馬車に乗って、お城の舞踏会に行ってみたい。
でも、結局それは夢のおとぎ話。
シンデレラには、魔法がかけられて彼女は幸せになれた。
だけど、私は違う。
私に、そんな夢の魔法が、かかるはずはない……。