私は這いつくばって前に進んだ。
少しでも遠く、この場を離れたくて。
もっとずっと遠くに行けば……。
誰か私を助けてくれる人が、現れてくれたなら……。
それは望みの薄い願いだったが、私は必死だった。
とにかく逃げなくては……。
暗闇の中、必死にもがく私の足を氷のように冷たい手が、力強く、がっちりと押さえつけた。
私の足を押さえつけたのは、いったい誰なのか?
心臓が止まってしまうくらいの恐ろしさに顔を歪め、私が振り返ったその先には、なぜだか誰もいなかった。
私は体をこわばらせ、冷静さを取り戻そうとした。
私の背後には誰もいない。
でも私の左足首は、冷たい何かが、万力のような強い力で間違いなく締め付けている。
私は自分の左足首に目をやった。
そして、信じられない事実を目にして悲鳴を上げた。
私の左足首には、肘から切断された右腕が、まるで命を吹き込まれたがごとく、私の足首を掴んでいた。