〈 私はあなたが憎い。

私があなたの爪を剥ぎ、目をくり抜き、腕を削ぎ落としたとしても、私の憎しみは決して消えない。

百合子……。

愛する武士さんといくら憎んでも憎み足りないあなたとの娘。

あの子の存在を私は絶対に許せない。

だって武士さんは、私だけのものだから 〉


メールの文章はそこで終わっていた。


私はそのメールを読み終わってからも、握りしめた携帯電話をじっと見つめ、メールの送り主のことを考えていた。


百合子に会ったことがあり、私への憎しみを露わにしているこの悪霊は、顔中に包帯を巻いた女、立川早苗だ。


私は彼女を殺害しただけでなく、彼女の顔をめちゃくちゃに切り刻んだ。


私は彼女が本当に憎かった。


もしも、彼女が死んでしまえば……。


私は頭の中で、その言葉を呪文のように、来る日も来る日も繰り返し言い続けた。


そして雨が降る夜の公園で、私は白いレインコートを着た立川早苗を殺害した。