〈 先日、あなたの娘に会いました。

百合子って言うんですね 〉


メールの中に百合子の名前が出てきたとき、私は心臓が止まってしまうくらいの衝撃を受けた。


百合子は、悪意とは無縁の女の子だ。


百合子は、何も悪くない。


百合子は、優しくて、明るくて、優秀で、愛らしくて、未来のある私の夢だ。


百合子ならば、あの桜井由美のように輝やける女の子にきっとなれる。


私が憧れて、いくら背伸びしても届かなかった高みに、百合子ならばきっと手が届く。


私にはなれなかった輝ける宝石に、百合子ならばきっとなれる。