携帯電話の着メロを耳にして、私の心臓は早鐘を打ち始めた。


まるで解けない呪いがかかったかのように、私の携帯電話は、毎日同じ時刻に同じメロディーを奏でる。


私は震える右手をゆっくりと伸ばして、携帯電話を手に取り、受信したばかりの一軒のメールを開いた。


〈 小夜子さん、相変わらず幸せな時間をお過ごしでしょうか?

人を不幸せにしても、平気で自分だけが幸せになろうと考えることができるあなたを私は尊敬してしまいます 〉