午前十時五十五分。


私はいつものように携帯電話を机の上に置き、ソファーに座って、壁掛け時計を見つめていた。


あの気味の悪いメールは、今でも決まって、午前十一時に送られてくる。


あのメールの送り主が誰であるかは定かではないが、あのメールの送り主が、私に対して並々ならぬ悪意を持っていることは、容易に想像することができた。


それにあのメールの送り主は、間違いなく私が犯した三つの罪、立川早苗、野沢恵子、田所光江の殺害を知っている。


私は、心からあのメールが来ないでくれることを願った。