私はずっと山村武士が好きだったが、そのことを彼に伝えることはできなかった。


私の気持ちを彼に伝えたならば、私はきっと彼を好きでいられなくなる。


私がずっと長い間、大切にしてきた彼への思いを、彼の口から直接、はっきりと拒否されてしまったならば、私が彼のことを思う夢の時間は、まるでシャボンの泡のように消えてなくなってしまう。


自分の姿を鏡で見つめながら、山村武士のことを思うとき、私と彼があまりにも不釣り合いに思えて、私は自分の大切な思いを口には出せず、そっと胸の内にしまい込んだ。