私が中学生時代を思い出すとき、私の記憶の中心には必ずあの女性がいた。


彼女は家柄も良く、成績も優秀で、誰からも愛される女性だった。


私は、彼女を見ると胸が締めつけられた。


どうして同じ世界に、私と彼女のような人間が同時に存在しなくてはならないのか。


彼女は私の憧れだった。


いくら私が背伸びしても、決して手が届かない桜井由美という存在。


私はそんな彼女に憧れながらも、幸せそうな彼女を見ていると憎まずにはいられなかった。