次の日の朝、百合子は四日ぶりに学校に登校した。


百合子の顔には笑顔がなく、本当はまだ学校に行きたくなかったのだろうが、私は百合子を休ませなかった。


百合子には、私とは違った学生生活を送って欲しかった。


百合子がこれからたくさんの夢を持って、その中のひとつを私は叶えて欲しかった。


いつか百合子が素敵な女性になって、みんなから愛される女性になれれば……。


あの桜井由美みたいに。


私は桜井由美を思い出すと、胸が苦しくなった。


私は桜井由美に憧れながらも、桜井由美の存在を許せなかった。


私はある日、桜井由美を傷つけてしまった。


それは、私が犯してしまった最初の罪だった。