私の言葉を聞くと、百合子は箸を置き、いっぱいに涙を溜めた目を私に向けた。


「お母さん……。

私、怖い」


「百合ちゃん、どうして私の言うことが聞けないの!」


私は思わず、大きな声を出していた。


「百合ちゃん、あなたは学校に行って、ちゃんと勉強するの。

すべては、百合ちゃんの将来のためだから」


「でも、お母さん……」


「駄目よ!

学校にはちゃんと行くの!」


「小夜子、何も大きな声を出さなくても……」


武士が、私と小夜子の会話に割って入った。


「百合子は怖い思いをしたんだ。

学校に行きたくない気持ちもわかるだろ」


「武士さん、それじゃ駄目なの!」


私は、武士の甘い言葉を否定した。