百合子はその日、学校を休んだ。


そして、次の日も。


また、次の日も。


部屋から出てこない百合子のことを思うと、私の気持ちは日に日に沈んでいった。


私は百合子を育て、成長していく姿を見ながら、いつも叶うはずもない願いを繰り返し想像していた。


もしも私に、ちゃんとした父と母がいたら……。


もしも母が、病気じゃなかったなら……。


もしも私の家が、貧しくなかったなら……。


もしも私が、ちゃんと高校に行けたなら……。


もしも私が私じゃなくて、桜井由美のような境遇にいられたら……。