「顔が……、顔がなかったの!

切り刻まれて、えぐられて、あの人の顔はぐちゃぐちゃで……」


百合子はそう言うと、声を上げて泣いた。


百合子はきっと、ものすごく恐ろしい目にあったのだろうと思うと、私の胸は痛んだ。


百合子が会ったその女は、立川早苗だと私は確信していたから。


「お母さん、私……、怖い。

外に出るのが、怖い……」


泣きながら怯える百合子を見て、私は思わず泣き出しそうになった。


「お母さん、助けて……。

きっとあの女の人、また私に会いにくる……。

私があの人の顔を見てしまったから……」