私は百合子の顔を見て、思わず息をのんだ。


百合子は血が通っていないのかと思わせるくらいの青白い顔で、まばたきもせず目を見開き、奥歯をカタカタと鳴らしていた。


ただ事ではない百合子の様子に、私は百合子のことが心配で、百合子を両腕で抱きしめて話しかけた。


「百合ちゃん、どうしたの?

具合でも悪いの?」


百合子は奥歯をカタカタと鳴らしながら、見開いた目を私に向けた。


「お母さん……、私、見たの……。

昨日……、あの公園で……」


途切れ途切れの小さな声を、私は聞き漏らさないように聞いていた。