足早に歩きながら辺りを見まわすと、池の淵で真っ赤なランドセルを背負った女の子が、うつぶせで倒れているのを私は見つけた。


私は激しい雨が降る中、うつぶせで倒れピクリとも動かない女の子の姿を見て、体中に悪寒が走った。


〈 百合子! 〉


女の子の顔を確認することはできなかったが、そこに倒れている女の子が百合子だと私にはわかった。


私は無意識のうちに持っていた傘を投げ捨て、走り出していた。


私はもう、激しい雨の冷たさも、暗い公園の薄気味悪さも忘れ、百合子の安否だけを考えていた。


百合子は無事なのか?


百合子は事件に巻き込まれてしまったのか?


私は百合子のもとに駆け寄ると、倒れ込むようにひざまづき、百合子の肩に触れた。