授業をサボったのはいつぶりだろう。
私は、いつ死のうとしたのだろう。
なんでそんな考えをもったのだろう。
記憶はいつ思い出せるのか・・・。
考えても思い出せない。
「どうしよう・・・。」
「あら。先約がいたのね。」
後ろからの声にびっくりしてから、反応が出てやっと振り向いた。
そこにいたのは、まぎれもなく・・・
「春田君!」
「おー。ゆあじゃねぇか。」
「はじめまして。あなたが瀬川さん?」
「あ、はい。はじめまして。瀬川ゆあです。春田君とは、友達ですか?」
「私は、雨宮優衣だよ。うーん。言いづらいけど、付き合ってるんだ。今は授業をサボってる感じ。」
「そうなんですか!春田君に彼女・・・・。ふふっ想像もしてなかったなー。」
いつの間にか、私と優衣さんだけの会話になっていた。
「悔しくないの・・?」
「へっ?」
「幼馴染をとられて。」
「幼馴染・・ではないです。」
「え?」
今度は春田君が反応した。
「幼馴染は・・・幼稚園、保育園のときよりもずっと前から一緒にいる人のことなので、私達は幼馴染ではないです。」
「じゃあ、何なの?」
次々にくるなー。
「ただの。知り合いです。」
「・・・・・。」
「じゃ、私もう行きますね。絢乃が迎えに来るので。邪魔しちゃってごめんなさい。」
「ちょっと、まてよ!」
私の耳には届かず、その言葉の意味も知ることはなかった。
その言葉の意味は、私にとってとても大切なものだった。
「ゆあ!!」
その大きな声を聞くと心臓がドクンと跳ねた。
そのとき、足が止まったと同時に私はある事を思い出した。
『数学。見せろよな!』
『どうせ、後ろなんだし』
『しょうがないから、見せてあげる!』
この会話は・・・・?覚えがある。
春田あおい・・・?
「あ・・・おい?」
ムズムズする心の正体は・・・・?
何も分からない・・・。
だけど・・・私は、春田君をよく知ってるのかな?
思わず足を止めた。
すると後ろから・・・
「ゆあ・・・」
そういった春田君に抱きしめられて・・・
私がやっと発したのは・・
「どっどうしたの・・?春田君・・?」
「本当に何も覚えてないのかよ・・・?」
また、ドクンと高鳴った。
これは・・?
「なあ。ゆあ。」
「何・・?今日の春田君おかしいよ・・・?」