「お疲れ様、かっこよかったよ。」

「ああ、ありがとう御座います。」

顧問の盛岡先生が、後夜祭で声をかけてきた。

かっこいいって。…あんなますまずのパフォーマンスでさ。

全く、眼下にはいちゃいちゃと群がるカップルたちが、キャンプファイヤーをかこんで、

綺麗だね…♡

うん…!

でも君のほうがもっt

お決まりである。


「おつー、穂!」

彼氏のいないという点が素晴らしい綾香が近寄ってきた。

「んー。」

生ぬるい鉄柵に、寄りかかった。ふとそれが、敦也の肌温に、感じられた。

「なんだよ元気ないなー!ぼっち!!」

はあっっ!?

お前もな!!

夏の終わりの夜風が、足の間を滑っていった。

「まあまあわかるよ。長かったもんね、あっくんと。

顔あげやー、食え!」

口に無理矢理唐揚げを詰め込まれ、激しくむせた。

「ねえ、これでもう、リーダーと香奈先輩、卒業なんね。」

「リーダーともかく、香奈先輩は悲しいよね。」

無礼承知で、憎まれ口を叩く。

大丈夫
屋上は、人気がない。