「すい…?穂!起きて!」

「あぅ」

ジャジャジャジャーーーン

北中の文化祭を前に、軽音部のBバンド、“逆走シンデレラ“のスタジオ練は、困難を極めていた。

「おい、吹上、お前、ボーカル、だろ、」

「司先輩、しゃっくり大丈夫すか。」

「もー穂、起きて。ほら。時間は有限なんだから!」

「…はい…。zzz」

「寝るなっ!」

時刻は午後六時半。中学生が校外でバンド活動ができる、デッドラインが迫っている。