6月13日

土「じゃあ斎藤後は頼む。」

斎「はい、お任せ下さい。副長。」

そう言って土方は、旅だった。
(死んでねーよ!)

私は斎藤さんの部屋で2日過ごさないと行けない。大変面倒臭い事だ。

「失礼します。」

斎藤さんの部屋は土方の部屋と違いとても綺麗に掃除がしてあり整理されていた。

まぁ予想通りというわけだ。

「綺麗になさっているんですね」

斎「まぁ、それなりにはな。」

「土方………土方さんの部屋なんてごみ屋敷ですよ。」

斎「副長は忙しいのだ」

「……なんか。斉藤さんって 忠実な犬って
感じですよね。ご主人様の為に身を粉にして仕えて………惨め」

少しだけ煽ってみる。

怒るかな?

そしたらすっごい睨まれてこう言われた

斎「俺を煽り何が聞きたいのだ。それとも俺に怒って欲しいのか。生憎だが俺は、その程度で腹を立てたりはしない。まぁ総司位なら刀を握るかもしれぬがな。」

「………そのくらい知ってますよ。斉藤さんは自分の事では腹を立てたりはしない。
けど、新選組のことについて馬鹿にされると刀、抜きますよね」

斎「さぁな。」

「………。まぁいいですよ。斉藤さん」

斎「お前は敬語を使いたくないのか?それとも使えないのか?」

「……………………さぁ?どちらでしょうね。
自分でもわかりませんよ。ただ、土方に敬語を使うのは尺ですが」

斎「………………………。副長に使わないのならば俺にも使わなくて良い。俺のほうが副長より下だからな。」

「いえいえ、斎藤さんには普通に敬語を喋れますよ。貴方のことは尊敬してますから。  私を一瞬で女だと見抜きましたもんね。」

斎「気づいていたか。」

「そりゃ気づきますよ。で、どうします。
私を切りますか?」

斎「そのような事はしない。副長の命があるからな。しかし、忠告をしておこう。
女だとバレたらお前は此処では生きていけなくなるぞ。」

「私が女だとバレたところでこんな女を捨てた女みたいなやつを襲おうとしますかね、普通。」

斎「関係無い。女は女だ。此処は飢えた狼の巣だからな。」

「その割に貴方は何もしないのですね」

斎「俺は、そのような事にさして興味は無い。」

「…………まさか、男色?」

そう言うとまた睨まれた。

斎「男なら尚更興味など無い。俺は、剣を握り人を斬る為に生きている。もし、俺に好いた女子が出来たとしてそいつを幸せになどできぬだろう。血に染まった手で抱きしめる事などできぬだろう。」

この人は凄く真面目で、暖かい人なんだと思った。

今まで血も涙もないような人だと思っていたけれどどうやら違ったようだ。

ほんとは、誰よりも人の事を考えれる人なんだ。

けどその優しさが自分自身を苦しめているのかもしれない。

「斉藤さんって紳士なんだね」

「しんし?とは聞かぬ言葉だな。」

「紳士とは、んーつまり、男の人として尊敬し模範となるような人の事ですよ」

斎「俺が模範?模範とは近藤局長や副長の様な方の事を指すのではないのか?」

「近藤さんはどちらかと言うと、大将としての模範だと思います。土方は……………
女子に優しくできないような人を紳士とは、言わないです」

斎「…………たしかに、副長が泣かせた女は数知れず…………………。」

ほら、やっぱり最低な男だ。

と、斎藤さんと何気におしゃべりができている。

少し嬉しい。

もっと、無言の日が続くと思っていたけれどそうでもないようだ。

「ところで斎藤さん。土方の句って聞いたことありますか?」

斎「副長の句?いや、覚えに無いが。」

「そうですか。土方の句すっごい下手なんですよ。聞きたいですか?」

斎「いや、結構だ」

真面目だ。

「梅の花一輪咲いても梅は梅」

斎「……………。」

「今、聞きたくないのに言いやがって
と思いました?」

斎「…………」

「下手ですよね。一輪咲こうが二輪咲こうが梅の木なんだから梅しか咲かないですよ。」

斎「ありのままが詠ってありヨイトオモウ」

「片言になってますよ」

斎「まぁ、誰にでも向き不向きがあるものだ、」

斎藤さんって何気に酷いことを言う。