「陽!だけど、このクソ暑い中、むさ苦しい男たちと、むさ苦しい柔道場で柔道やるなんて地獄すぎる!なんで男子は夏でも水泳の授業と柔道が半々なんだよ!」


「……うるさい。いいから、早くしろ」



言いながら、呆れたように溜め息を吐いた日下部くんの手には柔道着。


男子は高校三年間を通して体育の授業で柔道をやるから、予め柔道着を渡されているわけだけど。



「日下部くん……今日はちゃんと、体育の授業受けるんだね?」


「は?」


「いや……ほら、前は体育の授業、サボってたから……」