「あんた、なんで・・・」



あたしの問いには答えず、男は強引に玄関に入り、勝手にドアの鍵を閉めた。


暗闇に慣れたあたしの目は、その美しい顔をしっかりばっちり認識する。

が、脳はなんで今ここにコイツがいるのかとクエスチョンマークをぽんぽん放出中だ。



えぇっと、確かコイツは彼の親友で・・・と、考え始めたとき。







ぎゅうっ




「・・・・・・!?」


抱きしめられた。

え、いやいやなんで?!



さすがに動揺する。


・・・なんだかまたじわじわと涙が滲んできた。

だって、コイツの腕の中、あったかいっ・・・。





寂しい寂しい夜に、その温もりはーー

まるで甘い毒のようにーー


あたしの中に沁み込んでいった。