「入学祝いと言っちゃなんだが、ほら受け取れ」 そう言って父さんは僕に細長い箱を投げてきた。箱を包んだ包装紙にはシワひとつない。 「入学祝いなんて柄でもない。どうしたの?」 僕は純粋に気になり尋ねる。 「なんとなくだ、なんとなく」 父さんはそっけなく答える。 ふーん、と適当に返事をし、包装紙を豪快に破き、箱の蓋を開けた。