「え、お前の父さんのアビリタッドは光じゃないのか?」
「ああ、父さんのアビリタッドは火だ。母さんはいない。母さんは僕が生まれたすぐ後に事故死したと聞いてる。」

母さんが死んだのは、16年前。
そんな昔のアビリタッドが残っている訳がない。
そんなこと王族でもない限り無理だ。

「じゃあ、ホントに買ったのかもな」

何も言えなかった。
今まで母さんがどんな人だったのかとか誰だとか見てみたいとか考えたこともなかった。
知りたいと思ったこともなかった。