予想すらしてない返事が雅の口から出て 内心 笑ってしまった。

満月の夜 オオカミに変身などあり得ない。


おとぎ話じゃあるまいし… などと思い流れる夜の街中を見ていた。


気づけば睡魔が私を眠りに誘っている。


うとうと、うとうとする私は 意識を何度か繋ぐものの睡魔に負けて眠りに落ちた。

どれくらい経ったのか、目が覚めてくると、エンジン音が耳に入る。


あれ… 着いたの?


「 起きた?」


ん? 家じゃない…


「 雅くん、ここ どこ…」


窓や後部フロントガラスを通して外を見れば、公園らしき場所にいた。

そして突然の轟音が車の上に、耳に響いた。


「 わっ!?なにっ… 何の音!?」

「 あれだよ、ほら 」


雅が指差す方を見ると、飛行機が着陸しようとしているところだった。


うっそ… ここって まさか、空港!?


「 雅くん、なんで?どして?」

「 夜の夜景もいいけど、飛行機もなかなかいいもんだから。椿ちゃん寝てたし ドライブしてみた 」



ええっ 勝手に…

でも、夜の飛行機ってキレイ…


「 あ、また来る!雅くん見て、飛行機!」

「 いいねぇ その反応 」

「 ひゃあっ!すっご… ねぇ 降りて見ていい?」



私は言いながら 車を降りて 公園の一番高い所にまで上がり 寒さを忘れ、飛行機の着陸をずっと見ていた。


雅がそんな私をどう思い、見ていたかはわからない。


でも、寒さを感じた私は腕を擦ると、雅が私を後ろから抱きしめてきた。


あ……


「 暖かいだろ、寒さから守るよ 」


寒さから守ると言われ、笑えたが内心 ドキドキしてしまった。


また、私を… 雅くん どうしたの?