沙 「痛いじゃんかぁ!」
俺 「最後の俺じゃねぇよ!誰かが後ろ
  から...って、ん?」
沙 「...扉が、ない?!」
俺 「嘘だろ...どうやって戻るんだよ...」

? 「ようこそ!魔法使いの国へ!」

沙 「だ、誰?」
? 「わたくしですか?この国の案内人を
  しております、ウィルでございます。」
俺 「案内人?」
ウ 「はい。そうです。」
俺 「おい、ウィル(?)。ここはどこなんだ」
ウ 「?ですから、ここは魔法使いの国で
  ございます。」
俺 「魔法?そんなの存在する訳...」

? 「ウィル、何をもたもたしているの?」
ウ 「ご主人!申し訳ありません!実は...」

俺 「ご主人?お前の?」
沙 「わッ...綺麗な人...」

ウ 「こちらのお方は、わたくしのご主人
  である、ユリア様でございます」
ユ 「よろしく。君たちは人間界から来た
  の?名前は?」
沙 「あ、沙百合...私、東雲 沙百合って
  言います!」
俺 「俺は、陽介。津田 陽介。」
ユ 「へぇ、いかにも“人間界の名前”
  って感じね。」
俺 「ユリア?は、この国の何なんだ?」
ウ 「なっ...ユリア様を呼び捨てに?!
  なんて無礼な!」
ユ 「いいのよ、ウィル。へぇ...呼び捨てで
  呼ばれるのは久々だわ。私も君のこと
  “陽介”って呼ぶわ。よろしく。」
俺 「そんなことより、ここは何なんだ?
  お前は魔法使いなのか?俺たちが
  入ってきた扉は?どうやって戻れば
  いい。」
沙 「ちょ、陽くん、そんな一気に質問
  ばっかり...」

ユ 「この国は、魔法使いたちが住む国。
  キル王国。何千年もの歴史がある国。
  昔は人間界とも繋がっていたけれど、
  人間が私たちの魔法を悪用する様に
  なった為に、入口を封鎖。それから
  人間界では魔法は空想のものとなっ
  たようね。」

沙 「て、ことは本当に魔法使いの...」
ユ 「そう。1つ忠告すると、ここから
  出るには1つでも魔法を使える様に
  ならないと出られないわよ。」
俺 「はぁ!?なんで...」
ユ 「人間界から来た人をただの人間の
  まま返すわけがないでしょう?選ば
  れたのよ。陽介たちは、この国に。」
沙 「嘘...」