俺たち家族は、とある夏の日、ばあちゃんの家に泊まりに来ていた。毎年この時期になるといつもばあちゃんの家に泊まりがけで遊びに来る。けど今回は、隣の家に住んでいる同級生で幼なじみのさゆ...東雲 沙百合 の家族と一緒に遊びに来ていた。俺がいつも、何よりも楽しみにしているのは、家の裏の森でのんびりする事だ。森の中だから虫は多いが、さゆ は虫が平気な奴だから誘えばついてくるだろう。
 しかし、今回俺は別の目的で森の中に入る。それは、最近になって気になり始めた、ばあちゃんのこの言葉。


「森の奥に行ってはだめだよ。危ないからね。それと...もし森の中で扉を見つけても絶対に開けちゃだめ。いいかい?約束だよ。」


 小さい頃から言われ続けてたから、最特に気にすることなく当たり前に守ってきたが、今考えてみると何で扉を開けちゃいけねぇんだ?...って。