「…おい、寝てんのか?日比野?日比野??」

数学の先生が私に問いかける。

「わ〜 完全寝てんじゃん唯〜」

「唯起きろ〜」

「さすが唯だわ〜笑」


クラスの友達が騒ぐ。


「おい!日比野!!!!!」


「んわぁ! びっくりした〜 センセーもっと優しく起こしてよぉ〜」

そして、大きな声に反応して体がピクっと動き居眠りから覚めた、私、日比野 唯【ヒビノ ユイ】。

いや____、寝たフリをした、私。


「お前は何度数学の時間に寝るんだ…いい加減起きてくれよ…」

「センセーごめ〜んっ なんか、ウトウトしたの〜」

両手を合わせながら一番後ろの席から先生に謝る。
クラスのみんなは笑っている。
「唯 うける〜」

「だから馬鹿なんだよ〜」
友達が騒ぐ。


「うるさいな〜!!!」

笑顔で返す。


先生は呆れてる。


そして隣をチラッと見る。


あいつは、興味がなさそうに先生が出した練習問題を眺めている。