ん?
何の音だろう?


耳をすますと、どこからか重低音が響いていて、その音は徐々に近づいてきている。


これは…!


窓の外を見ると、トラックがレストランの目の前に停まろうとしている。


「きた!」


急いで入口を開放して、冷蔵庫を中に入れてもらう。


業者の人によると、途中事故現場に居合わせてしまい、大幅に遅れることになったらしい。
連絡をしたけど、私が教えていたのはオフィスの電話番号で、もうこの時間には誰も出なかった。
私がかけた番号も事務所に繋がるものらしく、こちらもこの時間だと誰もいない。


「取り敢えず届いて良かったー」


「何が良かっただよ。
ちゃんと繋がる連絡先を教えておけ!」


気が緩む私にピシャリと拓哉からの厳しい言葉が飛んでくる。


「す、すいません…」