「良いレストランだよ。
オープンでつまづかせはしない。

このレストランが、会社の伝統を守るために変化を怖がってたんじゃ、新しいものは作れないって証明してくれるんだ。

柚希にはそれに気づかせてくれたこと、感謝してるよ」


「拓哉…」


「柚希はすごいな。
ここまでのレストランを生み出して…本当、感心するよ」


そう褒められて、照れつつも首を横に振った。


「出入口にスロープを付けたいとか、店内の通路を広くしたいっていうのは、拓哉がいたから思い付いたんだよ」


「俺?
なんで?」


こっちを向いてキョトンとしている。


私は少し前の出来事を思い出す。