寵愛の姫 Ⅱ【完】




「莉茉。」


「…う、ん?」



ぎこちなく暁から手を離せば、その瞳が細められる。



「直ぐに追い返してくる。」


「…えっ!?」




追い返しちゃうの…?




……お客様なんじゃ…。




困惑しながら、暁を見上げる。



「このまま待ってろ。」


「……、」



私の額に口付けた暁が、さっと寝室を出ていくのを唖然としながら見送った。