「莉茉。」 車の中にいる私に暁の手が差し伸べられる。 「…ん。」 躊躇なく握り締めれば、強い力で引き寄せられた。 すっぽりと暁の腕の中に収まる私の身体。 それだけで、震えが止まる。 「大丈夫だ、莉茉。」 「…うん。」 「俺が側にいる。」 「うん。」 暁の腕の中で髪を撫でられながら、言葉を聞いた。