「莉茉?」 「暁、ちょっと待ってて。」 「うん?」 怪訝そうな表情の暁の膝の上から慌てて降りて、急いで鞄の中を漁る。 ……あった…… “それ”を手に持って、私は暁の方へと振り返った。 「暁にお願いがあるの。」 「お願い?」 「うん、お願い。」 暁にして欲しいの。 前に進む為の力にしたいから。