離れる心地の良い体温に、一抹の寂寥が募る。 やっぱり、 ……そんな俺を親父は楽しそうに見つめていた。 「美夜も座りなさい。」 俺達の向かいに座った親父がお袋を自分の隣の席に促す。 それだけで、年甲斐もなく嬉しそうにぴったりと寄り添う目の前の夫婦。 …手だって握り合ってるじゃねぇか。 息子の前だってイチャつく親父達に、俺は溜め息が溢れ落ちそうになった。