暁と頼さんのやり取りを、視界を塞がれたまま呆然と聞くしかなかった。 「なら、莉茉さんを困らせるのは止めなさい。」 「あ?」 「このまま嫌われたいなら別だが?」 「……チッ。」 舌打ちした暁が私から手を退ける。 クリアになる視界。 何度も瞳を瞬く。 …………そんな私の目に入ってきたのは、満足そうに笑っている頼さんの顔だった。