驚いた薫は、志信の手を一瞬だけ握り返して、その手をほどいた。
(えっ…?)
薫は何事もなかったように敦の方を向いた。
「津村さん。そこ、もうすぐ人が戻って来ますから。自分の席に戻って下さいよ。」
「仕方ないなぁ…。今日のところは引き返すかぁ。でもあきらめないよ?」
「しつこいです。早く行って下さい。」
「じゃあまたね、薫ちゃん。」
敦は薫にすげなく追い払われても気にも留めない様子で、笑って手を振りながら自分のテーブルに戻って行った。
志信は薫にほどかれた手を握りしめて、奥歯をグッと噛みしめている。
(そんな時まで隠すか…?薫にとって、オレって一体…。)
「とりあえず…うるさいのも居なくなった事だし、飲み直そう!!な、笠松!!」
(えっ…?)
薫は何事もなかったように敦の方を向いた。
「津村さん。そこ、もうすぐ人が戻って来ますから。自分の席に戻って下さいよ。」
「仕方ないなぁ…。今日のところは引き返すかぁ。でもあきらめないよ?」
「しつこいです。早く行って下さい。」
「じゃあまたね、薫ちゃん。」
敦は薫にすげなく追い払われても気にも留めない様子で、笑って手を振りながら自分のテーブルに戻って行った。
志信は薫にほどかれた手を握りしめて、奥歯をグッと噛みしめている。
(そんな時まで隠すか…?薫にとって、オレって一体…。)
「とりあえず…うるさいのも居なくなった事だし、飲み直そう!!な、笠松!!」