しばらく黙り込んでいた志信が、急に何かを思い出したように顔を上げて薫を見た。

「あれ？そう言えば、本社研修の時、いた？なんかみんなが、卯月さん来てないって言ってたような…。」

「ああ、私は行ってない。乙４は高１の時に取ったから。」

「えっ、そうなの？」

「だから本社研修は必要なかったのか。」

石田が感心したように呟くと、薫はソーセージを口に運びかけて否定した。

「いや、私も高１の時に社員に混じって乙４の本社研修受けましたよ。その後も危険物の外部の研修受けました。乙４じゃないけど。」

「え？乙４じゃなかったら…。」

驚いた様子の前川が尋ねると、薫は口の中のソーセージを飲み込んで、事も無げに言う。

「甲、持ってます。」

「えぇっ?!」

衝撃の事実に、男たちがざわめいた。