雨の日だった



「はぁ…暗いな」



クラスの仕事で
すっかり帰りが
遅くなってしまった



『木之本さん帰れる?
送ろうか?』


「確か方向同じだっけ?
だったら
お願いしようかな」



一緒に仕事をしていた
あまり知らない男



真面目そうで
百瀬とはまるで違う…



『じゃあ行こうか』


「うん」



電気を消して
教室の鍵をかける



少しだけ
不気味な暗い廊下を
二人で歩き出した












『木之本さんって…
百瀬と仲良いよね?』



男は突然
百瀬の名前を口に出した



「仲良いってか…
昔からなんとなく
一緒にいるだけだよ」


『幼なじみか
なんかいいよね』



男はそう言って
ニコッと笑った