だけど

そんな表情も
あの日だけで



学校で会ったって
ヘラヘラと
笑っているだけ




『ねぇねっ!
百瀬くんも一緒に
お弁当食べるように
莉那誘って?』


『莉那って
百瀬くんと幼なじみ
なんだよね?いいなぁ〜』




友達が集まれば
百瀬の話題



『百瀬くんに
お弁当作ってあげたぁい
莉那ぁ!!
百瀬くんって何が好き?』




この言葉で気付いた



あたしは
百瀬を知らない



十数年って
一緒に居るのに

あたしは百瀬の
何も知らない




これも全部

数年前の出来事のせい…




『莉那ぁ?
どぉしたの?』


「あ…なんでもない
えっと、百瀬だっけ?
なんでも食べるよ」


『なんでもかぁ
好き嫌いなくて
よかった〜』





百瀬が嫌い



嫌いで嫌いで…



なのに



心の中では認めている

あたしの幼なじみは
百瀬だけなんだ…と