「しぃちゃん!」
「あら、結奈ちゃんどうしt……って、莉乃ちゃん!?」
保健室に入るなり結奈は保健室の先生を呼んだ。
先生の名前は瀬川 栞(せがわ しおり)。
私達や他の生徒からは親しみを込めてしぃちゃんって呼ばれている。
しぃちゃんは結奈に支えられてる私を見るなり目を見開き、慌てて駆け寄ってきた。
「しぃちゃんどうしようっ!!莉乃がっ」
「落ち着いて、結奈ちゃん。大丈夫だから……まずは莉乃ちゃんをベッドに連れてかないと。ね?」
「!!う、うんっ」
慌ててた結奈ちゃんはしぃちゃんの言葉にようやく落ち着きを取り戻した。
「莉乃ちゃん、ベッドに行こうね?歩ける?」
『う…ん……、ゲホッゲホッゴホッ』
私は頷き、しぃちゃんに支えられながら一番近くにあるベッドに移動した。
「莉乃ちゃん、まずは熱測ろっか?」
『……ん』
小さく頷くと私はしぃちゃんから体温計を受け取り、制服のボタンを外してからそれを脇に挟んだ。
しばらくしてから体温計が鳴ったけど手に力が入らなくて出せなかった。
「莉乃ちゃん、ちょっとごめんね?」
しぃちゃんは言いながら体温計を出した。
「!!38度8分……けっこう高いね。莉乃ちゃん、朝起きた時は何度だったか分かる?」
『……7度、2分……』
「うーん、けっこう上がってきてるね。熱以外に他の症状は?」
『あ、たまが……ボーッとして……怠く、て……咳が……ゲホッゲホッゴホッ』
「んー、もしかして風邪かな?莉乃ちゃん、咳って風邪の咳?息苦しいとかある?」
『……ちょっと、苦しい……けど、我慢……できるっ』
「そっかぁ……ねぇ、莉乃ちゃん。喘息かもしれないし、早退して病院行った方がいいと思うんだ。……熱も高いし」
『……う、ん…』
本当は行きたくなかったけどこれ以上悪くなるとしぃちゃんだけじゃなく、結奈や脩兄達に迷惑が掛かる。
私は渋々頷いた。
「じゃあ私、先生に言ってくる!あと荷物も取ってくるね!」
「ありがとうね。結奈ちゃん、よろしくね?」
「任せて!」
『ハァ……ハァ…っ、結奈っ……ごめん、ねっ?』
保健室から出て行こうとしている結奈に声を掛けた。
「気にしないで!私たちの仲じゃん」
そう言って結奈は保健室から出て行った。
「んじゃ、私は脩ちゃんに電話するから莉乃ちゃんは寝ててね?」
脩兄としぃちゃんは幼馴染みで恋人同士。
だからしぃちゃんは脩兄の事を脩ちゃんって呼んでいて携帯の番号も知っている。
『……ん』
私は頷いてから目を閉じた。
「…………い、……なったっ」
「……じょ……今、眠って……」
『……うっ…』
近くで話し声が聞こえてきた。
目を開けて顔を動かすとカーテンを開けて中に入ろうとした脩兄と目が合った。
「莉乃、起きてたんだね」
脩兄は微笑むと丸椅子をベッドの傍に置いて丸椅子の傍に鞄を置き、座った。
『……しゅ…にぃ…』
「栞から聞いたよ。朝から具合悪かったんだって?」
『……うん……ごめ、なさいっ』
「……まぁ、いつもなら怒る所だけど、今回はいいよ」
『……えっ?』
てっきり怒られると思ってたからビックリした。
「もし今日休んでたらこんなに早く気付かなかったから。今家に誰もいないんだよ」
『えっ?……今……何時…?』
「今は十時ちょうどだよ」
『……?十時…って、…あれ?』
脩兄と悠兄の勤めてる病院は当直は翌日の朝九時に終わる。
病院から家までは車で十五分、今十時ならもう家に着いててもおかしくないのになんで?
「俺も悠も立て続けに急患が入っちゃってね?俺はついさっき上がれたけど悠はまだ病院」
『……そ……なん、だ』
「とりあえず病院行く前に一回胸の音聞かせてな?」
『……うん』
「じゃ、ボタン外して」
脩兄は言いながら鞄から聴診器を出した。
「あら、結奈ちゃんどうしt……って、莉乃ちゃん!?」
保健室に入るなり結奈は保健室の先生を呼んだ。
先生の名前は瀬川 栞(せがわ しおり)。
私達や他の生徒からは親しみを込めてしぃちゃんって呼ばれている。
しぃちゃんは結奈に支えられてる私を見るなり目を見開き、慌てて駆け寄ってきた。
「しぃちゃんどうしようっ!!莉乃がっ」
「落ち着いて、結奈ちゃん。大丈夫だから……まずは莉乃ちゃんをベッドに連れてかないと。ね?」
「!!う、うんっ」
慌ててた結奈ちゃんはしぃちゃんの言葉にようやく落ち着きを取り戻した。
「莉乃ちゃん、ベッドに行こうね?歩ける?」
『う…ん……、ゲホッゲホッゴホッ』
私は頷き、しぃちゃんに支えられながら一番近くにあるベッドに移動した。
「莉乃ちゃん、まずは熱測ろっか?」
『……ん』
小さく頷くと私はしぃちゃんから体温計を受け取り、制服のボタンを外してからそれを脇に挟んだ。
しばらくしてから体温計が鳴ったけど手に力が入らなくて出せなかった。
「莉乃ちゃん、ちょっとごめんね?」
しぃちゃんは言いながら体温計を出した。
「!!38度8分……けっこう高いね。莉乃ちゃん、朝起きた時は何度だったか分かる?」
『……7度、2分……』
「うーん、けっこう上がってきてるね。熱以外に他の症状は?」
『あ、たまが……ボーッとして……怠く、て……咳が……ゲホッゲホッゴホッ』
「んー、もしかして風邪かな?莉乃ちゃん、咳って風邪の咳?息苦しいとかある?」
『……ちょっと、苦しい……けど、我慢……できるっ』
「そっかぁ……ねぇ、莉乃ちゃん。喘息かもしれないし、早退して病院行った方がいいと思うんだ。……熱も高いし」
『……う、ん…』
本当は行きたくなかったけどこれ以上悪くなるとしぃちゃんだけじゃなく、結奈や脩兄達に迷惑が掛かる。
私は渋々頷いた。
「じゃあ私、先生に言ってくる!あと荷物も取ってくるね!」
「ありがとうね。結奈ちゃん、よろしくね?」
「任せて!」
『ハァ……ハァ…っ、結奈っ……ごめん、ねっ?』
保健室から出て行こうとしている結奈に声を掛けた。
「気にしないで!私たちの仲じゃん」
そう言って結奈は保健室から出て行った。
「んじゃ、私は脩ちゃんに電話するから莉乃ちゃんは寝ててね?」
脩兄としぃちゃんは幼馴染みで恋人同士。
だからしぃちゃんは脩兄の事を脩ちゃんって呼んでいて携帯の番号も知っている。
『……ん』
私は頷いてから目を閉じた。
「…………い、……なったっ」
「……じょ……今、眠って……」
『……うっ…』
近くで話し声が聞こえてきた。
目を開けて顔を動かすとカーテンを開けて中に入ろうとした脩兄と目が合った。
「莉乃、起きてたんだね」
脩兄は微笑むと丸椅子をベッドの傍に置いて丸椅子の傍に鞄を置き、座った。
『……しゅ…にぃ…』
「栞から聞いたよ。朝から具合悪かったんだって?」
『……うん……ごめ、なさいっ』
「……まぁ、いつもなら怒る所だけど、今回はいいよ」
『……えっ?』
てっきり怒られると思ってたからビックリした。
「もし今日休んでたらこんなに早く気付かなかったから。今家に誰もいないんだよ」
『えっ?……今……何時…?』
「今は十時ちょうどだよ」
『……?十時…って、…あれ?』
脩兄と悠兄の勤めてる病院は当直は翌日の朝九時に終わる。
病院から家までは車で十五分、今十時ならもう家に着いててもおかしくないのになんで?
「俺も悠も立て続けに急患が入っちゃってね?俺はついさっき上がれたけど悠はまだ病院」
『……そ……なん、だ』
「とりあえず病院行く前に一回胸の音聞かせてな?」
『……うん』
「じゃ、ボタン外して」
脩兄は言いながら鞄から聴診器を出した。